連載コラム「中村貞夫とその芸術」

連載コラム「中村貞夫とその芸術」

大阪大学総合学術博物館は、豊中市立文化芸術センターとともに2018年に洋画家中村貞夫の回顧展「洋画家 中村貞夫  四大文明の源流を求めて 探究の旅、描きとめる熱情 」を開催しました。大阪にうまれ、大阪大学を卒業した中村貞夫は、現在も制作を続ける油絵画家です。このコラムでは、展覧会では伝えきれなかった中村の魅力を、中村貞夫に関わりのある論者から、様々な視点を通じ伝えていきます。

 

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第16回 2021年10月22日

竹中哲也「帝国大学の画家たち  後編」
竹中哲也さんによるコラム「帝国大学の画家たち」の最終回(後編)は、前回・前々回の大阪、東京に続いて、京都と北海道という2つの大学出身の画家に着目します。1人は京都帝国大学を卒業した須田国太郎、もう1人は北海道帝国大学を卒業した坂本直行です。須田国太郎の線描は大阪大学附属図書館に所蔵があり、2010年の大阪大学総合学術博物館の展覧会では中村貞夫の木版画などとともに展示されたこともあります。
本コラムは、帝国大学出身という観点から中村貞夫含む多数の画家を紹介してきました。これらを通じて浮かび上がるのは、知の結集である大学での経験を糧に培われた、画家それぞれの独自の道程です。

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第15回 2021年9月24日

竹中哲也「帝国大学の画家たち  中編」

今回は、竹中哲也さんによる帝国大学出身の画家に注目したコラムの中編を掲載します。本コラムは、日本最初の帝国大学である東京帝国大学出身の2人の画家、児島喜久雄と高島野十郎に注目します。画家でありながら帝国大学に通ったこの2人の画家は、文理を問わずそれぞれの学びを大学で得ていました。前回ご紹介した中村貞夫の大学生活とも比較しながら、東京帝国大学という学び舎を共にした、2人の画家の人生をお楽しみください。

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第14回 2021年7月21日

竹中哲也「帝国大学の画家たち  前編」

今回から、2018年の中村貞夫展を担当した竹中哲也さんによる、大阪大学と中村貞夫の関係についてのコラムを掲載します。中村貞夫は、美術界では珍しい(旧)帝国大学出身という経歴を持っています。高校在学時から画家を志していた中村が阪大への進学を決めた理由には、師である小磯良平からの言葉がありました。中村貞夫はどのように阪大進学を決め、その後大学でどのような学びを得ていったのでしょうか。コラムの前編となる今回は、阪大と中村貞夫の具体的な関わりに焦点をあてていきます。

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第13回 2021年5月27日

木羽康真「中村貞夫展 展覧会レビュー」

今回は2018年の中村貞夫展でポスター・チラシ・叢書のデザインを担当した木羽さんによる同展覧会評を掲載します。大阪大学総合学術博物館と豊中市立文化芸術センターという2つの施設で行われた展示が実際にはどのようなものであったのか、木羽さんが撮影した写真とともに辿ります。

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第12回 2021年4月22日

中村貞夫「アトリエ訪問」

今月は、中村貞夫先生のアトリエについて、先生ご自身に語っていただきます。大阪府羽曳野市にて50年以上、様々な画家や美術評論家が中村先生のアトリエに訪れてきました。作家にしか語れないエピソードを、中村先生自身の文章とたくさんの写真によってお楽しみください。

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第11回 2021年3月18日

木羽康真「中村貞夫展 展覧会ポスター・チラシ・叢書カバーのデザイン」

今月は、2018年の中村貞夫展でポスター・チラシ・叢書のデザインを担当した木羽康真さんによるコラムを掲載します。従来の中村貞夫の個展とは異なる印象にしたいという阪大博物館側からの要望のもと、中村貞夫を包括するようなデザインに仕上げていったデザインの過程とはどんなものだったのでしょうか。展覧会には欠かせないこうしたデザインの仕事とそのプロセスをご覧ください。

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第10回 2021年2月17日

武澤里映 中村貞夫の視覚構造-「世界四大文明」シリーズにおける遠近を交錯する視界- 第3回

前回は哲学者オルテガ独特の「遠視法」についてまとめました。では、これによって中村貞夫の「世界四大文明」シリーズをどう語ることができるでしょうか。最終回である今回は中村自身の言葉も頼りにしながら、その風景画にある近さと遠さが交錯していく視覚を分析していきます。その中で見えてくるのは、近さと遠さが交錯する独特の視覚構造は、中村の油彩にとどまらず、画業それ自体にも貫かれている姿勢だということです。

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第9回 2021年2月3日

武澤里映 中村貞夫の視覚構造-「世界四大文明」シリーズにおける遠近を交錯する視界- 第2回

今回は、「世界四大文明」シリーズの中村の風景画を分析するための準備として、スペインの哲学者オルテガ・イ・ガセットが西洋絵画を語るときに用いた「遠視法」という視覚を参照していきます。「遠視法」は、その言葉のとおり対象から遠ざかる視覚でありながら、それは最終的に新たな近さを獲得するといわれます。このような「遠視法」とは一体どんな視覚なのでしょうか。今回はオルテガの著作を中心に、独特の遠近構造を持つ「遠視法」について見ていきます。

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第8回 2021年1月20日

武澤里映「中村貞夫の視覚構造-「世界四大文明」シリーズにおける遠近を交錯する視界-」 第1回

連載コラム第8回目からは大阪大学在学中の武澤里映による中村貞夫の視覚構造についての論考を3回にわたって掲載します。中村貞夫は風景画を中心に幅5メートルを超える作品を数多く制作していますが、その対象を捉え、表現する中村の視覚構造をスペインの哲学者オルテガ・イ・ガセットの議論をもとに論じていきます。第1回は初期から日本風景を手がける時期の中村の作品をめぐってその視覚構造を探っていきます。

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第7回 2020年12月25日

橋爪節也「中村貞夫の藝術 四大文明から大阪風景への回帰」vol.6

水の都大阪に生まれ育った中村貞夫。このコラムではvol.1からvol.5にかけて中村の画業を見てきました。大学時代に学んだデカルト哲学、小磯良平、伊藤継郎をはじめとした同時代の関西戦後美術との関わり、そして水都大阪という土地性は、幾重にも織り込まれ中村の絵画に結集しています。最終回である今回は、そうした中村貞夫の芸術の重層性についてまとめていきます。(武澤)

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第6回 2020年12月18日

橋爪節也「中村貞夫の藝術 四大文明から大阪風景への回帰」vol.5

中村貞夫は「四大文明」シリーズ以後、2014年(平成26年)に見た夢をきっかけに「大阪風景」シリーズに取り組み始めます。今回のコラムでは、「大阪風景」シリーズに注目し中村の絵画におけるコンセプチュアルな静謐さを見ていきます。中村がデカルトから学んだ理性の徹底の果ての感覚の先鋭を強調するかのように、中村が描く大阪の俯瞰図はまるで幻影のようであり、見るものを研ぎ澄まされた感覚世界へと誘います。(武澤)

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第5回 2020年12月11日

橋爪節也「中村貞夫の藝術 四大文明から大阪風景への回帰」vol.4

中村貞夫が「四大文明」シリーズで探求したのは、「初源」と「循環」と言われます。このような始まりを求め徹底的に探求していく姿勢には、デカルト哲学「我思う、ゆえに我あり」とも親和性をもつような、確固たる理性的な方法論が基盤にあります。今回のコラムでは、若き日に得たデカルトの学びを自身の芸術の中で昇華する中村貞夫の独自の描法について触れていきます。(武澤)

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第4回 2020年12月4日

橋爪節也「中村貞夫の藝術 四大文明から大阪風景への回帰」vol.3

大阪大学卒業後、中村貞夫は本格的に画業に専念し始めます。今回のコラムでは、20代から60代以降に中村がたどってきた絵画の遍歴を見ていきます。その中で、関西の戦後美術を代表する伊藤継郎や小磯良平、吉原治良率いる具体美術協会と中村貞夫のかかわりから、抽象的な「燔祭」シリーズを経て自然風景に画題を移していく転換の背景まで、中村貞夫の絵画を時系列で追いかけていきます。(武澤)

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第3回 2020年11月27日

橋爪節也「中村貞夫の藝術 四大文明から大阪風景への回帰」vol.2

中村貞夫は高校生のときから油彩画をはじめ、その後大阪大学文学部に入学後も美術部にて活動を続けます。高校在学時に出会った小磯良平、伊藤継郎などらは、中村の画業の師となり、大学時代に出会ったデカルトの思想は、中村の思想にも通底するものへとつながっていきます。今回のコラムでは画業が本格化する前の中村の学生時代についてみていきましょう。(武澤)

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第2回 2020年11月20日

橋爪節也「中村貞夫の藝術 四大文明から大阪風景への回帰」vol.1

今回から6回に分け、2018年の「中村貞夫」展を担当された大阪大学文学部教授橋爪節也先生による論を掲載します。大阪を中心とした近現代美術を専門とする橋爪先生が、大阪に生まれ育った中村の画歴を総覧する中で見ていくのは、中村の画業に息づく「水の都」大阪の気風です。「水」をめぐる都市大阪と中村の油彩画の相対を見ていきます。(武澤)

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第1回 2020年10月20日

竹中哲也「光彩の画家、中村貞夫――はるかなる大阪の夢」

本コラムの第1回目は、2018年の中村貞夫展を橋爪節也先生(大阪大学文学部教授)とともに担当された竹中哲也さん(大阪大学博士後期課程)が書く、中村貞夫のこれまでの画業の変遷をたどるコラムです。高校生ですでに画家を志し、現在まで続けられてきた中村貞夫の画業はこれまでにどのような変化をへてきたのでしょうか。自由でありながらも内省的な中村の姿勢を、その遍歴をたどりながらかいまみてみませんか。(武澤)

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企画・編集:橋爪節也・武澤里映